鉄則

 先日、天皇陛下の心臓の手術を担当された医師の過酷ともいえる日々の生活を、テレビで見せていただいて、本当に驚嘆しました。手術と手術の合間を縫った十分くらいの簡単な食事ともいえない食事。一日十四時間の仕事で、できあい弁当を楽しみに、家に帰らずソファーで仮眠のような睡眠をとる生活。命を削るような繊細な技術が要求される手術の模様。
なぜここまでなさるのですかという問いに、自分も立ち会った手術で自分の父親を救えなかったので、後悔するような仕事はしたくないと言われました。
 この医師の自分に課した鉄則なんだ、自分が決めた鉄則は、こんなにも厳しい生活をも
当たり前のようにこなせるようにさせるんだと、私は彼の使命感に改めて感心し、深く刻印されました。