光合成細菌と放射能の関係

三月十一日以降、日本だけでなく世界全体が、放射能への不安や心配の黒雲にすっぽり覆われています。人間の五感では感知できない、種類も半減期もみんなちがい、手の打ちようがなく、万事窮すの状態がもう半年以上続いています。
放射能が高濃度だとわかっても、集めて保管場所にためておくだけで、その場所もいっぱいになってしまい、他の所も引き受けてくれないとか。
とにかく根本的な解決が、みつからないまま現在に至っています。
私たちの会はずいぶん前から、EMの中でもとりわけ光合成細菌の特別な力に関心をもち、様々な出会いを通して、自分たちで自然界から光合成細菌を培養することができるようになりました。この菌の多面的な威力を知るにつけて、次世代にその存在と働きを伝えたい一心で、下手を承知で、「光合成細菌物語」を作ったりもしました。そしてその過程で、光合成細菌が放射能を別のエネルギーに変え、無害化することができるという驚くべき情報を得ました。会の部会である、「有機の里創り研究会」もちょうどこの頃発足し、この研究会の基本理念は、「次世代のため、元気、安心、希望を与える住民参加型の有機の里創り」なので、この光合成細菌と放射能との抜群の関係は、ぜひとも検証してみたいと思っていました。しかし、この坂東市には実験すべき高濃度の放射能汚染土壌はなく、思案していましたところ、宮城県に住む会員から実験してみたいという申し出があり、早速実験に使う光合成細菌を送らせてもらいました。
一寸話が脇道にそれますが、宮澤賢治的世界観が私たちの会の核にあります。賢治の人間定義は「私という現象は、因果交流電燈の一つの青い照明であり、有機交流電燈の一つの青い照明です」という表現の中に凝縮されています。今回こういう成り行きになったのは、まさに因果と有機の二つの交流の賜物でした。因をさかのぼれば、この会の代表である夫が、東京農業大学在学中に属していた「奉仕会」から始まります。今回の大震災で、この奉仕会のOBの一人が津波で亡くなり、宮城県の会員も被災しました。奉仕会のOBの代表でもある夫が中心になり、亡くなられたOBのご遺族に義捐金を集めることで、それまで疎遠であったOBの関係が密になり、有機的なつながりができました。
賢治の言葉に「世界全体が幸福にならない限り、個人の幸福はあり得ない」とあります。まさにこの放射能の問題は、世界全体の問題です。この実験を申し出た宮城県の会員も私たちも、この視点に立っています。
明日、この実験結果をお知らせします。