経験値

 保科正之という人物を、テレビで紹介していて、家光の異母弟でありながら、城内で育ったのではなく、彼の育った環境の経験値が彼の人格や世界観をつくったというようなことを言っていて、この経験値という言葉が心に深く残りました。
 「かわいい子には旅させろ」という諺がありますが、経験値とはまさにそれを言っていると思います。
 私事ですが、私共の三人の娘たちは、それぞれ本人の意志で旅に出て、自分の道を見つけ、自分の伴侶も見つけ、かわいい孫も見せてくれて、私たちを安心させてくれています。
 そして、かくいう私も、ゴミ拾いという経験値のお蔭で、様々な過程を経て、NPOという社会的な立場を得て、有機的に社会と関われる生活をしています。道路のゴミ拾いは、自然と社会というこの二つを私と結び付けてくれました。個人的な生活だけをしていたら、今の自分は絶対にありませんでした。
 現代の若者に、この経験値をぜひ身に着けてもらいたいです。自分の中に何か芽生えたら、それはあなただけのもので、それこそがあなた自身なのですから、すぐトライしてください。そのチャンスを、生かすも殺すもあなたにかかっています。もったいないです。