青春

 昨日の新聞の一面に、顔一面いい笑顔をしたおばあちゃんの写真が載っていました。八十六歳とは思えない若々しい明るさが漂っていて、その謎を知りたく記事を読んでしまいました。
彼女は、これまでの人生で今回を含め、三回も大きな震災を体験し、且つ旦那さんが生前残した負債もすべて彼女が返済したそうな。今回も家屋やすべてを失い、仮設住宅でくらしながら、今は復興の先頭に立って、食堂を開き、切り盛りし彼女の料理の腕を発揮して、皆さんに喜ばれているとのこと。
 彼女を知ってその強さに心をうたれ、「死ぬまで青春」という言葉が自然に私の中に浮かびました。人間どっちみち死ぬまで生きなければならないのだから、明日のことは思い煩わず、一日を一生と想い、その一日を一生けん命に生きる。それを毎日続けていれば、死ぬまで青春が続くのではないでしょうか。
 反対に、青春時代と言われる若い時代は、自分の生き方もまだ定まっていず、永遠とそれが続くような気がして、苦しいものなんですよね。
 これから死に刻々近づいていく自分にとって、彼女を通して得た「死ぬまで青春」という気持ちの持ち方は、ありがたい産物でした。