放線菌

 昨日の午前中、寸暇を惜しんで銀杏ひろいに。十一月は、柿やこんにゃくと並んで、ピース・エコ・ショップの貴重な稼ぎ手なのです。現地に到着。ちょっと心配はしていたのですが、私が前日立ち去った時より銀杏の実はずいぶん少なくなっていました。誰かが私より効率のいい方法で持って行ったようでした。
 みんなでシェアー、シェアーと思いながら拾っていたら、隣のビニールハウスの君が現れ、「これからまだ落ちるよ」と慰めのお言葉を頂きました。
 彼は、好きな事にはほんとに研究熱心で観察眼もあり、会でも自発的に自分の役割を受け持ってくれ、会としてはどれほど助かっているかしれません。この日も、彼は八か月ほど前に光合成細菌やEMをいれて作ったボカシの中から、団子状になったぼかしのかたまりを持ってきて見せてくれました。そして、それをいくつにも割って見せて、「どこを割っても、放線菌がいるんだよ」と。どこを割っても、断面にびっしり白い菌糸がボカシに食い込むように張っていました。白い菌糸がふわふわしているようなのは、糸状菌で全然働きもちがうのです。
 毎日、ゴルフ場の店番をやりながらの読書のお蔭で、放線菌の働きや光合成細菌との関係を知っていたので、私はこのびっしり団子に大いに納得して、一つ頂いてきました。といいますのは、放線菌は光合成細菌の死体が別名菌体が大好きな餌なのです。そこで、空気中にいた放線菌がビニールの隙間から餌を求めて入り込み、ボカシの中でどんどん増殖していったというわけです。では、放線菌はなんに役立つかというと、連作障害を引き起こすフザリユーム菌をやっつけてくれるのだそうです。それにしても、光合成細菌は生きている間も人間の役に大いにたち、死後も連作障害に間接的に貢献しているわけですから、もっと私たちは微生物に感謝しなくては罰が当たるような気さえします。
 下に、放線菌でびっしりの団子ちゃんを載せますね。