三年目

 あれから三年目。被災された人たちや家族を亡くした人たちは、この三年間をどのように送ってきたかを想う時、自分一人ではどうしようもできない空白の時間を送らざるを得なかった苦しさや虚脱感に、同情と怒りを禁じざるを得ません。
 安全神話が完全に覆され、放射能に対する根本的解決策が公的にない以上、ドイツのように原子力を止め、自然エネルギーなどの代替えエネルギーに転換する決断を、日本は国策でどうしてできないのかと、憤りを覚えてしまいます。そこを決断して、その方向に日本の技術を集中させれば、世界の先駆けになり、経済的にも発展する可能性も出てくると思うのですが。その一番核の所を、正にそのままにして三年間が過ぎてしまった、もしそこを決断していれば、復興ももっと進んでいたと思わざるを得ません。余りにも希望がなさすぎます。
 除染もただ集めて保管するだけでなく、放射能を除去する方法があれば、それを試してやってみるだけの誠実さを国が持ってほしいと切実に思う昨今です。