動く

 どんな時でも動いていることは、悩みをまぎわらしたり、軽くしてくれるところがあります。動くことは、一種の副作用のない薬みたいなものです。
 悩みをかかえながらじっとしていると、ますます悩みが大きくなり、抵抗力が弱まります。
それが怖くて、できるだけ動くようにしています。
 動いている時の方が、頭もめぐるように感じます。正に一挙両得です。
 と言っても、私はそんなに敏捷に動けるタイプからほど遠く、あくまでもマイペースです。
たとえスローモーションでも、動くという習慣づけが大切なのです。
 「自由来」をやっていた若かりし頃、夕方から夜にかけて仕事が忙しいので、昼食の後はすぐ夕食つくりをはじめなければなりませんでした。その時間帯にそれが面倒くさかったものです。しかしそのうち、夕食の準備をしている時の方が、頭が自然に動くということに気が付いたわけです。
 今の時代、便利さに負けて動く人が少なくなった気がします。どんな時代でも、動くのが当たり前としなければ、治りそうもありません。