幼なじみ

 人生五十年を二十年も前に終わり、故郷が遠くになっていた私を幼なじみの友達がぐっと近づけてくれたのは、二年前の事でした。
それよりずっと前から、小、中、高と一緒だった友人が、会に入ってくれていて、熱く支援してくれていました。彼女がずっと故郷と行き来していて、小、中の同窓会にも顔を見せていて、その同窓会で私の本を紹介してくれました。買って下さる人も多くいて、お陰でそのお金もペシャワール会におくれました。それから、十人以上の方が会にも入ってくれ、ご縁が一層深まりました。
 その中でも、二人の幼なじみの方と特に交流が深まり、踊りや日本文化を継承している一人の幼なじみさんが、毎年やっている彼女の踊りの発表会の入場料の一部を私達の会に寄付したいと言ってきてくれました。彼女は無償の行為の悦びをずいぶん前から知っている人で、彼女の周りには厚い人垣が出来ていました。
 彼女のお母さんが、世の中で一番偉い人は、世の中の為に動く人で、金品を目的にしない人と規定したのを、小学四年の時に聞いて自然とそれが彼女の人生の指針になったようでした。「鉄は熱いうちに打て」と言われますが、小学生だった彼女の純真で柔らかな心に母の言葉がしっかりと刻まれ、私達の会ともつなげてくれたのですから、魂のありようはは時代も空間も越えて生き続けるのですから、すごいですよね。