この一年

 もう今年もあとわずかとなりました。去年頂いた賀状を見ながら年賀状を書いていて、笑っている写真などがあると、知らないで平穏な時を過ごしていたんだなと思ってしまいます。
 あの日を境に、日本中が震撼となり、誰もが、どこにいても、何をしていても、心から笑えない日々がずっと続いています。被災して、家族を失ったり、離れ離れになったり、まだ家族が見つからなかったり、家屋を喪失したり、放射能汚染がなんの解決もされず、自分の故郷に帰れなかったり、仕事がなく将来の見通しもたたず、持って行き場のない寂しさと憤りをかかえ、ほんとにほんとにお気の毒でなりません。
 昭和20年の終戦の時も大変でしたでしょうが、ひたすらがんばればそれなりの希望があったような気がします。今回は、文明が行くところまで行ってしまったという絶望めいたものを感じるのは、皆さんも同じではないでしょうか。
 でもそれでも、被災地にいながら、みなさんが少しでも希望を見つけて、がんばっている様子を見ると、反対にこちらが教えられます。そしてかつての日本人の大和魂、それを私は「智慧と勇気」と解釈していますが、それがこの震災で引き出され復活したと感じ、こちらも元気をもらい、私たちの会も少しでもお役に立てたらと願わずにはいられません。