賢治の言葉
賢治の言葉は、「雨にも負けず 風にも負け・・・・・」が余りにも有名ですが、私が彼によって救われたのは、彼独特の表現による人間定義でした。他の詩人にはない世界観とでもいいましょうか。彼の言葉には、言葉が自分の中に浸透していく、生活の中で実感、啓発されるという強い影響力が秘められているようです。
これまでに大きな決断、思い切った行動を必要とする時、どれほどよりどころになったことでしょう。そして、賢治も生きている時は、全く無名で変わった人だったと聞いていますので、理解されない中で自分の思いを貫いていく孤独の中から生まれた言葉なので、彼の魂が込められていて、それが私たちに肉薄して伝わるのだと思います。
私が特にお気に入りのいくつかの言葉を紹介しますね。そのほとんどが「農民芸術概論綱要」という作品の中にあります。
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じていくことである
この最後の言葉は、まさにこの会が生まれる推進力、原動力になってくれました。
まだまだ賢治の珠玉の言葉、あるのですがもったいぶって又の機会に。よく味わって私のように自分の糧にして頂けたらありがたいです。