親日家

 今年に入って、テレビでジョンダワー氏とガバンマコーマック氏なる二人の親日家,知日派が対談をしていていました。前者はアメリカ人、後者はオーストラリア人でした。お二人とも自分の国と日本を、内側から歴史的事実に基づいて客観的に理解し、批判すべきところは両国とも批判し、日本が外交で自治権を持っていないのを憂えていました。
 アメリカでも一パーセントの富裕層が政治を支配し、民主主義はいずこへという現状で、不満が爆発したこと。日本も現在日本のアイデンテイテイが失われ、日本としてのビジョンを持たなければいけないと力説しておられました。

 私が「とりあえず症候群のあなたに」で言いたかったのは、まさにこのことでした。親日家の外国の人が、それを指摘するとはほんとに心配してくれているということでもあり、ちょっと皮肉でもあり。
 私は、現在の日本に最も必要なビジョンは、「もったいないから生まれた知恵と潔い勇気という元来の大和魂に、大きな和の広い心を加えた新しい大和魂」と言いたいのです。
 私は、それをペシャワール会の活動足跡から教えられ、これを日本人のアイデンテイテイにすれば、昨年の大震災にも立ち向かっていけるのではないかと、事実現在被災地で私たちを感動させてくれるのはこの三つを併せ持った場面です。
 今日もゴルフ場で、福島を故郷にもつお客さんが、私の惣菜をたくさん買ってくれ、彼もたくさんの資材を福島に運んで復興を助けていると知りました。
 昨日の賢治の言葉の中に「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」を思い出します。でもそれに関わらせてもらっている時は、幸せな気持ちになります。