安全神話

 私たち現代人は、科学技術万能の時代を生きるうち、文明を謳歌し、文明の陰部を見ないようになっていったような気がします。そして文明を当たり前のように享受する内、感謝や悦びの感覚も麻痺していったような気もします。そして文明があまりにも便利で、それに頼って生活するうち、人間本来の考える能力や生命力も枯渇していったように感じます。
 その上、私たちは現代生活で最も必要な電力も、原子力の平和利用であり、最も安価であるという安全神話をそのままうのみにして、日本中に原子力発電所を配備して、なんの問題意識も持たずに安閑と快適な生活を甘受していたわけです。
 そこに、人間の愚かさをみせしめるように、自然の脅威が襲いました。放射能だらけで、手も足も出せないほどの人間の無力感を見せつけられる毎日です。
 これまでの科学技術では、根本的な解決法が示されない今、まだ未知数の部分が多く、理論的根拠が確実ではないというだけで、実際には光合成細菌が放射能を減少させるという事実を、パラダイムシフトの一つとして活かしていけたらと願っている毎日です。