子供の未来を考える会

 ある日、若い会員さんが、一人のやはり若いお母さんを農場に連れてきました。「子供の未来を考える会」を起ち上げた人ということでした。発端は、昨年の震災にともなう放射能汚染問題でした。
 私たちの会は「猿島野の大地を考える会」といいますが、「考える」という視点が同じで、親近感を持ちました。この人を連れてきた会員さんも、三人の子供の母親で、子供の事を心配して、しばらく子供を連れて大阪の実家に帰っていました。
 お話を伺うと、「子供の未来を考える会」で最初にしたことは、1992年から19年間にわたり、チェルノブイリ原発事故で被爆した子供たちの保養活動を続けてきた「チェルノブイリへのかけはし」代表の野呂美加さんの講演会を企画、実施したとのことでした。若いお母さんが、一人でそれを思い決め、遂行したということは、さぞ勇気がいったことと推察します。そのエネルギーの根源は、やはり母親の子供に対する愛情以外のなにものでもないでしょう。でもそのお蔭で、彼女は色々な人とつながったと言ってました。そして、私達ともつながりました。私たちの会にもすぐ入会してくれて、友人を連れてたびたび農場を訪れてくれます。
 先日も、ちょうど四季の会の活動日である火曜日にきたので、一緒にお茶を飲みました。その時彼女の言った言葉がとても印象に残りました。
 「将来、大事なことを共有するようなコミュニテーを創りたい」と。正に私たちが求めている「次世代のため、元気、安心、希望を与える住民参加型の有機の里」に重なりました。若い人たちが、どんどんこのように自分の思いを行動に移して、社会を変えていってくれることを願っています。
 それを表現している賢治独特の私の好きな言葉です。「自我の意識は、個人から、集団、社会、宇宙へと次第に進化する」