とりあえず症候群

 この言葉は、私が現代人の病理現象を表現した造語ですが、この意味がすぐわかる人とわからない人がいます。
 昨日、子供さんの内部被ばくやアトピーや便秘を心配したお母さんが、EMや光合成細菌を買いに来て、たまたまとりあえず症候群の話しになった時、自分のまわりに精神的病理現象の人がかなりおり、ほとんどの人が、医者や薬に頼って直そうとしていると話されていました。
 そこに現代の悲劇があると私は思っています。私も生きづまり、どん底に落ちたとき、それだけは根本的解決ではないとわかっていたので、自分の心の整理をするために、朝の自然の中を走ったり、物の整理に没頭したり、自力本願で行動するうち、宮澤賢治の言葉で気になっていたけれど、どん底におちてみなければわからなかった言葉の中に、私が本当に納得できる真理を感じました。
 二年前、これで最後になるかもしれないと、これまでに自分の中から生まれた歌をいくつか選んで,CD本にして「とりあえず症候群のあなたに」という題名で四冊目を出版しました。
私は、歌のもつ力を信じています。私の場合は、生き方を模索し、自然に何かが醸成されたとき、歌がわれともなく生まれます。
 そういう種類のとりあえず症候群の人に、薬を飲む代わりに拙いですけど真実味のある私の歌を実生活に役立ててもらえれば、ありがたいのですが。