本音

 昨日ある方と話をしました。特別に親しいという間柄ではありませんでしたが、とても感じのいい、話しやすい方で、ついつい二人の間で波長があったのでしょうか。彼女曰く「毎日、毎日が不安。仕事は先細りだし、孫が増えて忙しいのはそっちだけ。顔は笑っているけれど、嘘笑い。年をとってくると、以前簡単にできたこともむずかしくなる」
 私よりずっと若いと思える彼女がそうなら、この頃私をおそってくる将来に対する不安も当然でしょう。私たちの場合は、もう丁度二十年になる私たちの会の行く末に対する心配とでもいいましょうか。折角みんなで育ててきた共同体、宮澤賢治の精神を伝えていきたいという願い、これを形にするにはどうしたらよいか、すぐには答えの出ない不安の中で、いつも模索が続きます。