会の名前

 私たちの会の名前は、猿島野の大地を考える会といいます。旧猿島町と旧岩井市が数年前に合併して、坂東市になりました。四十年以上猿島町の住民で、自宅の前は広い飯沼新田が開け、遠くには筑波山を臨み、三人の娘たちは豊かな自然とおおらかな隣人に恵まれ、成長できました。私もそこで約二十年近く塾をやり、町の方々とつながることができました。
 生き詰まった時、賢治の詩に出会い、それを理解し、納得できたのも、田舎の自然の中に身を置いていたというのも、大きな要素でしょう。
 その後、ゴミ拾いを原点に、第二の人生を踏み出した私は、今度は自然と社会の中に身を置き、だんだん自分を社会化できるようになり、ゴルフ場建設予定地に私たちの農場が入ったことから「正しく強く生きるとは、銀河系を自らの中に意識して、これに応じていくことである」という賢治の言葉に背中を押され、反対という意志を表明し、「猿島野の大地を考える会」が生まれました。
 今度、将門を知るにあたって、もう合併で消えてしまった猿島という名前が会の名前として残り、それも「猿島野の大地」という言葉は、大昔の将門が生きていた頃を彷彿とさせ、将門が馬で駆け巡っていたのが想像できる気がします。
 そして、その当時の豊かな猿島野の大地は、現代文明の極限の産物によって汚染され、危機に瀕しています。今、まさに会の名前が示す通り、それを憂えて元に少しでも近づけるべく、私たちは考えているところです。
 将門さんを調べている内に、会の名前からも彼とご縁が近くなった気がしてうれしい限りです。