もったいない

 私たちの会の要にあるのは、このもったいないという日本人独特の心情です。
 自然をゴミで汚すのはもったいないと始めたのが、ゴミ拾いでした。ゴミは道路にはどこにもありますので、毎日毎日ゴミ拾い。町のゴミの集積場にそれをもっていっては、そこに捨てられている物の中から、日本文化の匂いのするものを、今度はもったいないと持ち帰る日々。やはり同じようにゴミ拾いで見つけた廃材を活用して、そのもったいない物を収容する館を、もったいないを共有する夫が三年がかりで建設。
 ゴミ拾いから共鳴する仲間も現れ、部会「四季の会」も誕生。
 米のとぎ汁も、そのまま捨てれば環境汚染。EMと合わせて発酵液にすれば、排水浄化と生活改善で正義の味方に変身。これも廃物活用です。
 EM液体石鹸も、廃油や米のとぎ汁など、困っているものが必要という風に立場が逆転。
 そして今は生ごみを燃やすのはもったいないし不自然と、生ごみ光合成細菌やぬか、もみ殻、落ち葉などで、堆肥化し、放射能からも安全な野菜つくりに取り組んでいます。
 すべての活動の源流は、もったいないにあり、私たちの世代はこのもったいないが遺伝子に組み込まれています。若い世代には、私たちほどそれが浸透していないのも、育ってきた時代の因果ゆえです。それを責めるのではなく、私たちの世代がそれを後ろ姿で示して、伝え、共にやっていくような社会にしないと、断絶からは何も生まれません。
 会では、もったいないを旗印に、一緒に知恵を絞る仲間を求めています。