農民芸術概論綱要

 宮澤賢治の作品の中に「農民芸術概論綱要」というのがあり、私はとても影響されました。私が、絵を描くようになったのは、彼の「誰人もみな、芸術家たる感受を為せ」という言葉からでした。もう人生後半の年齢でした。
 昨日の日馬富士は、まだ二十八歳で、相撲という厳しい生活の中で、芸術家たる感受も為し、楽しんで見事な作品を仕上げていました。自分の二十八歳の頃と重ね合わせ、もう自分の人生に納得のいく答えをもっている彼を、とりあえず症候群の多い現代の中で、まさに賢治の理想像を地で行く人だなと思いました。
 彼のように、自分に与えられたマイナスの要素を逆手にとって、プラスに変える大和魂、知恵と一歩を踏み出す潔さ(いさぎよさ)を持ちましょう。必ず明日が開けていきます。