金脈

 今テレビを何気なく見ていたら、中国の今の問題を放送した後には、金脈というタイトルで地方を掘り起こすというような番組が続き、全てが経済だけに固執している実態だけが浮き彫りになって、さびしい気がしました。人間の体に動脈と静脈が流れているように、社会にもこの二つの血液が流れないと、どんどん社会は病んでいくことになります。
 その意味でも、お人よしの集まりで構成されているような私たちの会は、社会の健全化に少しは役に立っていると思うのですが。
 宮澤賢治は、すべての人が幸いになる社会を夢見て、理想をトルストイの童話「イワンの馬鹿」に置きました。イワン王国は、民の幸せを願って、民と共にイワンの王様も働き、誰もが幸せな気持ちになるという筋書きですが、為政者が純粋にその気になれば、現実にそうなることも可能であると思うのですが、甘いでしょうか。