もったいないという宝

 私たちの世代は、戦中、戦後の混乱期に生まれ、育ち、祖父母、両親、大人の一生懸命に家族を守って、生き抜こうとしている後ろ姿を見て育ちました。
 物の不足する時代、物を大事にしなければ生きていけず、もったいないという気持ちは自然に育ち、自分の体の奥の方に染みわたっていったような気がします。

 もったいない広場ともったいない店「ピース・エコ・ショップ」の建設とバイオマス活用推進計画は、役に立たずに終わってしまう運命にあった物を活用するという意味では、どちらももったいない精神が生きている心の土壌から生まれたと思うのです。
 
 この宝は、文明の大量生産、大量消費、大量廃棄の渦の中に飲み込まれ、その姿が消失しそうな危機に直面しています。その価値を知っている最後の世代として、私達はそれを次世代に伝える使命があると思うのです。
 ピース・エコ・ショップのように、もったいない物を寄付してもらい、それを安価に買ってもらうことによって、買う人も助かるし、そのお金も必要なところに寄付されることによって、三者(物を寄付してくれる人、それを売って寄付する人、物を買ってくれる人)が社会貢献を成立させていることになります。

 「整理することから人は二倍の力を得る」という賢治の言葉ではありませんが、ピース・エコ・ショップを思いついて始めた私の感想は、余剰の物は全てお金に換えて役立たせ、余分なものはない中で味わう清涼感と、自分に必要な少量を頂くありがたさでした。
 先ほど、交流行事に参加した、夫の大学時代の奉仕会というサークルの後輩で、有機農業の草分けの人から、ピース・エコ・ショップの建設の材料となるものを春頃までに届けて下さるとのありがたいお電話がありました。
 今日も、農場に色々な方々が訪れ、交流しながら、EM液体石鹸の材料となる天然アルコールも仕込み、光合成細菌もたくさん売れ、なにやかやいい日となりました。