緑の大地計画

 毎日新聞の「ひと」という欄に、私たちの会が毎月支援することでこちらも元気をもらっている「ペシャワール会」の代表、医師の中村哲さんが載っていました。
 最近は、読みなおそうという大事な記事は、ノートに貼ることにしています。もちろん哲さんも早速貼られました。
 彼の行動力のすごさは、夢のような理想を現実のものにしてしまう所にあります。これまでに戦争の真っただ中で、皆を総動員して平和を形にした人を私は知りません。
 アフガンとパキスタンの国境地帯で医療活動を始めて30年目。診療した患者は延べ250万人。当時からの戦乱に加え、干ばつと洪水で砂漠化が進み、農地を失った人たちが難民化するのを目の当たりにし、「薬で飢えと渇きは治せない」と200年以降は水利事業に力を注いで、1600本の井戸を掘り、地下水路を修復。2002年から取り組んでいる農村復活事業「緑の大地計画」では、後々現地の人々が自力で修復しやすく、他地域での用水路造りのモデルになるように、江戸時代の「じゃかご工」や「柳枝工」の伝統的治水技術を取り入れ、この連続取水堰の完成で1万6500ヘクタールの農地が維持できるとのこと。
 現在は、この用水路を維持、補修していく人たちの自立定着村を砂漠の中にほぼ完成させている。
 私たちは、彼の行動を通して、平和とは自分たちで創りだすものであることを教えられ、啓発されまます。貨幣経済のみに頼らない、自給自足的生活をすることは、環境を汚さない平安な社会に繋がります。日本でも、やろうと思えば、いくらでも可能です。