哲学

 今日、夫が古新聞の中から、偶然いい記事を見つけて、私の所に持ってきてくれました。夏目漱石が、現代文明を分析批判して、日本の末路を暗示し、その根底にあるのは日本人の哲学的思考の欠如だというような内容でした。
 ずいぶん前にそれを予感していたのですから、さすがです。彼は確か英国留学をしてその時、外から日本を見たことで、余計鮮明にそれを感じたのでしょう。
 私も、学生時代に、哲学という言葉に魅力を感じ、単位を取り、難しくはありましたが、本質的、根本的に考えるということの重要性を教えられたことは確かです。今、再生でき、元気でいられるのも、宮澤賢治の人間定義の中に真に納得できる哲学を見つけられたからだとほんとにそう思っています。
 ですから、夏目漱石の文明分析批判と日本人観に共感し、一番の近道は、もったいない世代は、もったいないを哲学にして、次世代に伝えることが、文明に立ち向かう手持ちの武器、護身術ではないかと思った次第です。