寒風

 娘親子が石川に帰る日がとうとう来ました。おととしも冬休みに来てくれ、あれから一年がもう経ったのかと思うと、年取ってからの一年はとても速い気がします。私たちと離れるのを悲しんでくれた孫も、一年後はどんな感じになっているでしょう。とにかくいい子供達でした。
ゲームはやる気がなく、本物の虫やカエルや体の構造などに興味があり、自然児に育ち、私たちの子供時代を思い出させてくれました。ただその集中力と表現力は、私の子供の頃の比ではありません。兄妹で絶えず遊んでいる過程で、伝達や会話能力が発達するのでしょう。
 お昼頃娘たちを見送った後は、又昔の静けさと風の唸り声。勇気が要りましたが、後悔がいやで、ゴルフ場へ。寒さの中で、お蔭で読書に実が入りました。その上、行動しないと、気が弱くなったり、不安が生じますが、とにかく寒い中を行ってきたという事実に、自律神経がしっかりしたことは確かでした。賢治の「雨にも負けず、風にも負けず」は、どんな時代でも、特に快楽に慣れている現代人には、必要な原則なのかもしれません。
 寒風に身を置く方を選んだお蔭で、身体を動かしながら頭も動いてくれ、これから一年のやるべきことが少しずつ見えてきたように思います。