娘たち

 人生で最も感動したのは、子供の誕生でした。二人で、田舎の借地、借家で自分たちの自由な夢を追いかけて、怖いもの知らずで始まった結婚生活。その中で最初の子を授かり、その頃の自分たちの価値観から「自由を貴ぶ」という意味で由貴となずけました。
所が、彼女の自由を貴ぶのではなく、最初の子の哀しさで親の自由を行使して、或る意味彼女の自主性を伸ばしてやれなかったという後悔はあります。
 今回、その長女が一か月ほど二人の子を連れてアメリカから里帰りしました。ほとんど毎年一回は帰ってきていましたが、今回の里帰りは、最も彼女との距離が近くなったと感じました。
 次女も、農場で一緒に長く暮らしたこともあり、小さい時から話をする習慣もあって、実家のことを心配してくれます。
 三女は、自分の意志で十五歳にしてアメリカにわたり、全て自分の判断で現在に至っています。正に「自由を貴ぶ」はこの娘につければよかったのかもしれません。
 どの娘をとっても、私達のことを心にかけてくれているのは同じで、親としては優しい娘たちをもって、ありがたいことです。