家族

 八方ふさがりのような心境の時は、何をしてもそこに意義を感じられず、それでもゴルフ場へ行くことを私からとったら、私が私でなくなり、私を信頼してくれ、協力してくれている人たちを裏切ることになり、それまでの関係や絆を失うことになるという余感が、かろうじて私を引き留めてくれていました。そして、アメリカから来ていた孫のケンやリアがゴルフ場行きを手伝ってくれたり、無邪気になんでも関心をもって遊びに興じているのを見て、かわいいと思う反面、一定の距離を置いている自分を哀しく思う自分がいました。
 夫と長女には、私の本音のはけ口を受け止め、ありのままの自分を許容してもらわないと、私は立つ瀬がないので、今回は、二人にずいぶん支えられました。安定型の夫には、私の不安定な心境は理解できなかったようですが、聞き手にはなってくれ助かりました。又、それまで、白米党だった私に、この際玄米にしろということで、それ以後は玄米党に。夫が玄米を信奉する背後には、石川の次女の影響があります。
 長女とは、今回の件で、精神的距離がとても近くなった気がします。彼女は、私に「お母さんは、もっと自分を自負した方がよい」とよく言ってくれましたが、それまでの自分とは別人のような自分にとっては、とても無理な事でした。
 石川にいる次女も、アメリカにいる三女も、電話やメールで心配してくれました。この家族の存在が、ある意味で、私を窮地から救ってくれたと感じています。