自然体

 二十年以上前、生き詰まり極限状況の中で、自力更生でもがくうち、それまで理解できなかった宮澤賢治の詩の数行の中に、納得する人間の定義を見出し、それまでの自分を総括し、再生を期して生まれて初めて「私の宮澤賢治」という題名で本にしました。
 その後、自分なりに賢治を具現的に生きてみて、賢治哲学の真理を実感し、情報過多で核心が抜け落ちている現代に、賢治哲学を知ってもらう必要性を痛感し、これまで四冊の本を出してきました。
 その間、自分の魂に忠実にやってきて、全て結果的には好転し、一貫した道を歩んでくることができました。
 私の好きな賢治の言葉「永久の未完成これ完成である」ではありませんが、人間のやることは、絶対ではなく、どこまで行っても未完成である。しかし、完成を目指すことは可能である。今回私が別人のように不安定になり、意欲を失ってしまったのも、人間の不完全さを如実に表しています。これを薬や医者に頼んで、他力本願で治したとしても、根本的な解決にはなりません。第一の危機の時も、早朝自然の中を走ったり、無になって分別作業をしたりして、乗り越えました。自力更生で治したという自覚は、左右を分けるほどとても大切で、今回の第二の危機も、医や薬に頼ることなく、自分で自分を治す方法で元気を復活できました。それは又後程聞いてもらいます。