俯瞰

 日本語は、奥が深いですね。例えば、漢字を訓で調べると、ものすごい数の同音の漢字が出てきて驚く事があります。ところで、この俯瞰という漢字は、あまり日常では使わないので、知らない人も多いかと思います。先ず読み方は、「ふかん」です。意味は、「高い所からみおろすこと。全体を上からみること」です。
 現代は、世界情勢が刻一刻と変化し、それが世界全体にすぐ伝わり、情報が多すぎて、焦点が定まらず、将来が全く不透明で、第三次世界戦争が起きかねない様相を呈しているように思えてなりません。
 私がいつも重要視している評論家の方が、今こそ俯瞰的に見る事が求められていると言われました。世界あちこちで紛争が起こっている現在、これまでの大国が武力で鎮圧しようとするやり方は、ベトナムイラク、アフガン戦争、ことごとく失敗に終わっており、むしろテロを拡大しており、世界は新たな基軸を模索してうごめいており、俯瞰的に見なくてはいけないし、日本は今までずっと平和を堅持し、戦いに加わっていない事で、世界から敬愛されているのを外に出ると感じると言われました。
 外国の人から見ると、俯瞰的に日本はそう見えるのであれば、それは守らなくてはならないとりでであると思いました。私たちの会が、ずっと支援しているペシャワール会は、正にアフガンで世界平和とは何かを具現的に医療だけでなく、井戸堀、用水路建設、砂漠に自立定着村建設と実践を通して示し、宗教の違いを越えて敬愛されています。ペシャワール会の代表である中村哲さんは、これまで正に俯瞰的に生きてきた日本を代表する、大空を飛ぶ鳥の眼をもったような人です。